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- 2006.10.01
- 連絡事項
SACRAでは妊婦検診のたびに毎回超音波で赤ちゃんの成長を確認していますが、うち2回はカラードップラーを用いて詳細な評価を行っています。
その際3D超音波も一緒におこなってきましたが、所詮「おもちゃ」の域を出ないことは以前のブログに記しました。
http://blog.livedoor.jp/sacra_lc/archives/50193218.html
今回SACRAでは、新たに持田シーメンスメディカル社製のソノビスタG60という4D超音波装置を導入しました。カラードップラーの感度が向上していますので、今までに増して正確な評価が行えるようになると思います。
ただ4D画像は、処理速度は格段に速くなって今までの3Dに比べるとかなりましに撮れますが、まだまだ「おもちゃ」の域を出ません。
他施設では4Dは別個に予約が必要なところが多いようですが、SACRAはいままでどおり2回の詳細な超音波の際に皆様に行わせていただきます。でもあまり期待はしないで下さいね。
2回目の詳細な超音波検査が終わっている方については、残念ながら4D画像がきれいにとれる時期を過ぎていますので新たに行うことはしません。
ただどうしても4Dをご希望の方は、診察の際にお申し出いただければ2000円の追加負担でトライはさせていただきます。
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- 2006.10.01
- 連絡事項
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- 2006.09.27
- 連絡事項
両親学級は以前から予約制とさせていただいていましたが、予約なしでおいでいただいても会場に余裕がある限り受けていただくことが出来ていました。
しかし最近は予約の方のみで会場がほぼ満席となってまいりましたので、今後は完全予約制とさせていただきます。
ご主人が参加できないかもしれない場合でも、参加の可能性がある場合はお二人分のご予約をお願い申し上げます。
また里帰り出産をご検討の方にもお願いです。
最近SACRAで分娩希望の方がさらに増加しており、当院の分娩予約の締め切りも早くなる傾向にあります。SACRAで里帰り出産をご希望の場合は、できれば現在おかかりの産院で妊娠8週台には分娩予定日を決定してもらい、すぐにSACRAにお電話いただいて分娩の仮予約をお願いします。その上で出来るだけ早くご実家のお母様に来院してもらって、正式の分娩予約をお取りいただくようにお願いします。
皆様のご理解をお願い申し上げます。
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- 2006.09.08
- 連絡事項
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- 2006.09.06
- 役に立つ?情報
今日はSACRAに初めておいでいただく患者様のために、外来における診察の流れについて説明させていただきます。
初めておいでいただいた場合は、まず受付で問診表の記入をお願いしています。問診表の内容により産科の患者様は第一診察室(担当阪本)、不妊・婦人科の患者様は第二診察室(担当橋本)にご案内します。
そのあとそれぞれの診察室で、問診表を参考にして現在の状態をお聞きします。それと同時に過去にかかられた病気や、上のお子様のお産のこと、さらに喘息などのアレルギー疾患をお持ちになっていないかなどもお聞きします。
そのあと内診室にご案内します。内診は、初めての患者様は特にだと思いますが、抵抗感をお持ちの方が多いです。下着をお取りいただいてお上がり頂くわけですから、抵抗を感じられて当然だと思います。しかし内診でしか得られない情報も多いため、申し訳ありませんが皆様にお願いしています。
内診台は少しでも抵抗感を少なくできるように、腰掛椅子タイプを採用しています。内診台に腰掛けるようにお座りいただいた後、スタッフがスイッチを入れると、回転しながら足を徐々に開いていって自動的に内診の体位をとるようになっています。
内診はカーテン越しになりますので不安も強いかと思いますので、通常の手順を説明します。
まずクスコという膣鏡を膣のなかに入れて、膣の分泌物の状態を確認します。その際に必要な方は、子宮がん検査や分泌物の検査などを行います。そして膣内を洗浄してクスコを抜きます。
最後に経膣超音波検査を行います。これはカバーを被せた細い棒状の超音波プローベを膣内に入れて子宮や卵巣を観察する機械です。当院では患者様にも超音波画像がご覧になれるように、内診台の上から見えるようにモニター画面を設置しています。
超音波が終われば内診は終了です。
妊娠中期でお腹の上からの超音波を行う患者様以外は、その後診察室にお入りいただいて診察結果を説明します。
もし不明な点があればいつでもお聞き下さい。またどうしても内診に抵抗がある方は、問診の際におっしゃっていただければと思います。しかし内診しないと分からないことも多いです。また内診の際に痛みを感じられた場合はご遠慮なくおっしゃってください
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- 2006.09.04
- 連絡事項
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- 2006.08.17
- 役に立つ?情報
A rolling stone gathers no moss ―帝王切開術後に動け動けと言うのは患者さんが憎いからではありません
SACRAで帝王切開を行った場合の入院期間は、帝王切開当日を入れて8日間です。もちろん母体の回復状況により、数日間の入院延長が必要なこともありますが、ほとんどの方は予定通りに退院されています。
これは手術翌日の午前中に尿道カテーテルを抜いて室内トイレまで歩いていただき、それ以後もどんどん体を動かしていただくことによって可能になります。私と橋本先生で行うSACRAの帝王切開が手術時間30分程度で、腰椎麻酔も最も細い針を用いて行うため術後の安静期間が短くて済むためこのような早期の離床が可能なのですが、何よりも患者さん本人のご努力によるところが大きいです。
以前のブログの「お産の安全性」のところに記しましたように、分娩にはなお一定の危険が付きまといます。分娩時の大量出血は過去も現在もその危険の最たるものですが、最近注目されているのが逆に血液が固まりすぎてしまう状態です。これはエコノミークラス症候群の名前で一般に知られていますが、その本態は過度の安静などにより骨盤内や下肢の静脈内で血液が固まってしまって(深部静脈血栓症)、安静を解除した時にその血の塊(血栓)が血流に乗って飛んで肺動脈を閉塞する状態(肺血栓塞栓症)です。症状は飛んだ血栓の大きさと肺動脈の閉塞の程度に左右されますが、運悪く大きな血栓が飛んで肺動脈を起始部で塞いでしまった場合には、大学病院などの高度医療機関で発症した場合でも救命のチャンスは多くはありません。
妊娠中ならびに分娩直後は、母体の血液凝固能(血が固まる力)が出血に備えて高まっていることや、子宮の圧迫により下肢の静脈の流れが滞りやすいことから血栓が生じやすく、手術による組織のダメージに引き続いて術後の安静を強いられる帝王切開後は特に深部静脈血栓症の危険が増すと考えられています。
私は大学時代から日本肺塞栓研究会に参加してその分野の臨床研究にも携わってきました。SACRAではその知見を生かして、肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症の予防対策に力を入れています。予定帝王切開の場合は、手術当日まで通常の生活をしてしっかり体を動かしておいてもらいます。入院後は、術前から十分な輸液を行って血液が濃くなって凝固能が亢進するのを防ぎ、下肢には静脈の拡張を防ぐ弾性ストッキングを着用していただきます。それに加えて、多くの症例では手術中から離床まで空気圧を利用した下肢静脈ポンピング装置を装着します。そして何よりも有効なのが、麻酔が醒めたら出来るだけご自身で足を動かして、早期に離床していただくことなのです。
英語のことわざに“A rolling stone gathers no moss(転石苔を生ぜず)”があります。元々はmoss(苔)を良いものとして「石の上にも3年」に近い意味のことわざですが、転じてmossを悪いものと捉え、常に動き続けることを奨励し、新しいことへのチャレンジを促す意味にも使われます。
人の体は川の中で転がる石のように、常に動き続けるほうが自然なのです
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- 2006.08.13
- よくある質問
よくある質問6 : 「お腹が前にでているから男の子だわ!」って言われるんですけど・・・
SACRAでは毎回超音波を行って、お腹の中の赤ちゃんの性別をお知りになりたい方には分かる範囲でお伝えしています。もちろん妊娠の時期(28週ごろが一番見やすい)や赤ちゃんの向き(赤ちゃん背中を上にしていると隠れて見えません)により、分かりにくいことはありますが、何回か行えばわかることのほうが多いです。
世の中にはその出典がはっきりしないお腹の赤ちゃんの性別判定法があるようです。
ネットでみつけたものをいくつか列記しますと、
1.ママのお腹の形が前に突き出すと男の子、丸く横広くなると女の子
2.ママの顔つきが険しくなると男の子、優しくなると女の子
3.つわりが軽いと男の子、きついと女の子
4.すっぱいものを食べたくなると男の子、甘いものを食べたくなると女の子
もちろん医学的にはすべて根拠のないものです。
あなたのご近所にはお腹の中の赤ちゃんの性別を的中させる名人のような方がいらっしゃったとしても、冷静に考えれば世の中には男の子か女の子しかいないわけですから、普通に予想してもその的中率は50%とかなりの確率になるのです。
「お腹が小さ過ぎない?」とか「お腹大きすぎと違う?」などといって妊婦さんを心配させるのはどうかと思いますが、周りの皆さんが妊婦さんのお腹を見て生まれてくる赤ちゃんに思いをはせることは決して悪いことではありません。
みんな新しい命の誕生を心待ちにしているのです。
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- 2006.08.10
- 役に立つ?情報
秋篠宮妃の紀子さまが前置胎盤だと言うことは皆さんニュースでご存知のことかと思います。幸い現在のところは非常に順調に経過されており、9月6日に帝王切開によりご出産になられる予定だそうです。
前置胎盤は子宮頚管に胎盤がかかっている状態(イラスト)で、陣痛が来て子宮頚管が開くと大量出血が生じる可能性があります。現代医学の発達により妊娠中の超音波検査(経膣法)で診断ができるようになり、陣痛が来て大量出血をきたす前に帝王切開を行って母児ともに救命することが可能になりましたが、過去には死に至る病でした。また現在でも、癒着胎盤などを合併している場合には帝王切開を行っても危険な状態になることもあります。
出生10万当たりの妊産婦死亡率
1950年(昭和25年) 176.1
1955年(昭和30年) 178.8
1965年(昭和40年) 87.6
1975年(昭和50年) 28.7
1985年(昭和60年) 15.8
1995年(平成07年) 7.2
2001年(平成13年) 6.5
これは戦後の妊産婦死亡率(出生10万人あたり)の変化です。高度成長期を境に急速に低下しているのが分かります。これは過去に主流であった自宅分娩が減少して病院・診療所での分娩が一般化したこと、医学が発達して前置胎盤などの危険な状態が分娩前にわかるようになったこと、妊婦さんの啓蒙が進んで体重管理などが徹底し、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)などの危険な合併症が減ったことによるところが大きいと考えられます。つまりこの成果は、過去の産婦人科医ならびに助産婦、そして妊婦さんご自身のたゆまぬ努力によって、成し遂げられてきたものなのです。
ただ残念ながら現在もなお0にはなっておらず、分娩にはなお一定の危険が伴います。お産というのは、妊婦さんが命がけで新しい命を作り出す、崇高な作業なのです。
SACRAでは緊急時にそなえて、橋本先生と私の常勤医2名の体制をとっています。
また母児の状態を慎重に評価して、前置胎盤などの症例は分娩前に高度医療機関に紹介しています。さらに分娩時の弛緩出血などの事前の予測が不可能な事態には、場合によっては大学に緊急搬送して高度な医療が受けられるような連携体制を整えています。
「お産は案ずるより産むが安し」というのもまた事実ですが、リスクを認識してそれを最小限にするように妊婦さんとともに努力することが、お産の安全性をより高めるものと私は考えます。
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- 2006.08.07
- よくある質問
以前にも書きましたが、妊娠中に口にされたものは妊婦さん本人だけでなく赤ちゃんの血となり肉となるものですので、できるだけ栄養のバランスを考えて、十分な量を安全にとる必要があります。しかし同時に妊娠中の体重増加を考えると、特に妊娠中期以降は適度な運動も併用しながら、脂分と糖質はやや控えめでちょうどよいくらいかと思われます。また不足しやすい葉酸・鉄・カルシウムについては、サプリメントの使用するのも有効です。
たんぱく質は、単一のものを大量にとるとアレルギーの原因となる可能性もあるため、お肉、お魚、卵、大豆、牛乳などできるだけ多くの種類の食材を組みあわせて摂取することが望ましいと考えられます。また一般的にたんぱく質は加熱により変性して消化吸収がよくなるため、アレルギー予防の側面からも生ものよりは過熱したもののほうがよいと思われます。また季節にもよりますが食中毒のリスクや、生肉など特殊な食材の場合はトキソプラズマ症や寄生虫のリスクもあります。
ただ生ものは絶対にだめというわけではなく、生貝や生肉などは別として、新鮮でおいしいお寿司やおつくりを、たまに少量お食べになるくらいは構わないのではないでしょうか。