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SACRAブログ

風疹が流行しています : 妊娠8~10週に行う初期検査前のかた・あるいは初期検査で風疹抗体が低いまたは陰性といわれたかた、ご注意ください

2012.06.04役に立つ?情報

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新聞報道でご存じの方もおられるかもしれませんが、風疹が流行する兆しがあります。
本日、奈良県産婦人科医会からも注意喚起の連絡がまいりましたので、本稿を記しました。
プリントしたものは、院内の掲示板にも張っておきます。

以下をよくお読みになって、十分にご注意ください。
抗体陰性のかたも必ず罹患するわけではありません。逆にいえば、いままで20年以上生きてこられて一度もかかったことがないということです。過度に恐れる必要はありませんが、注意を怠らず、ご自身と赤ちゃんを守ってください


1. 風疹について

風疹は、風疹ウイルス感染によって発症し、発疹、リンパ節腫脹、発熱等の症状を呈する疾患です。
我が国では、1994年に(女児だけではなく)男児にも風疹ワクチンを接種するため予防接種法が改正され、翌年5月より基本的に全ての児童への接種が開始されたことから、近年の発生数は減少していました。
しかし本年は国内での届出患者数の増加が報告されており、奈良県内の届出患者数も第20週(~5/20)までの累積届出数が62名と、平成20年以後で最大となっているようです。

2. 先天性風疹症候群

妊婦が妊娠初期に風疹に罹患すると、胎児に感染して白内障や緑内障などの眼症状、先天性心疾患、難聴などを引き起こすことがあり、先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome : CRS)とよばれています。
一般的に妊娠中の感染時期が早いほどCRS発症のリスクは高く、排卵前および妊娠7カ月以降の発症ではCRSは認められないとされています。

3. 風疹に対する抵抗力(抗体価)

当院では妊娠8~10週で行う妊娠初期検査で風疹抗体価をチェックしています。
結果は母子手帳に添付していますので、ご自身でも「風疹ウイルス HI法」の欄をチェックしてください。

①8倍未満のかた
抗体陰性ですので、風疹に対する抵抗力がなく、ウイルスと接触すると罹患の危険があります

②8倍~16倍のかた
抗体はありますが低抗体価であり、風疹に対する抵抗力が弱く、ウイルスと接触すると罹患することがあります

③32倍以上のかた
抗体価からは、基本的に風疹罹患の心配はありません。ただし一般的な予防対策(人ごみを避ける、うがい・手洗いの励行)は行ってください

4. 風疹抗体価が陰性(①:8倍未満)、あるいは低抗体価(②:8~16倍)のかたへ

・ 特に妊娠24週頃までは、人混みや子供の多い場所への出入りを避けてください。

・ うがい・手洗いを励行してウイルスの侵入を防ぎ、睡眠時間も確保して規則正しい生活を心がけ、基礎抵抗力を落とさないようにしてください

・ 同居されているご家族(特にご主人)への風疹ワクチン接種を検討ください。なお妊婦さん本人は、生ワクチンである風疹ワクチンを接種できません

・ 発疹が出現したり風疹患者と接触した場合は、いきなり来院せず、お電話いただくか、内科に受診して診断してもらってください

・ 今回の妊娠が終了したら、次の妊娠の前に風疹ワクチンを接種することを検討ください。なお、接種後2ヶ月の避妊が必要になります。


                            SACRAレディースクリニック院長 阪本義晴

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